第5回 ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作品!
10年越しの作家デビュー
道尾秀介 著
【 背の眼 】
道尾秀介さんは大学1年の頃より小説を書き始めたそうです。
10年経っても芽が出なかったら諦めようと始めた執筆活動。
10年目に書き上げた今作の【 背の眼 】が見事に第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し作家としてデビュー!
と言うわけで、この【 背の眼 】は道尾秀介さんのデビュー作でもあります。
ホラーサスペンス賞に応募したきっかけが、この第5回から審査員に綾辻行人さんがいたからとのこと。
この作品を書き上げる上で綾辻行人作品を参考にしている部分もあるとのことで
そんな綾辻行人さんに是非とも読んでほしい!と言う思いがあったとか。
そして見事に最終選考に残り夢は叶ったわけです。
綾辻先生の【 背の眼 】をどう評していたのかについては下巻の大森望さんの解説にも取り上げられているので是非!
背の眼 あらすじ
児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。
彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。
そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。
しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。
これは単なる偶然か?
出典 : 背の眼
主人公は、32歳・売れないホラー作家の道尾秀介(今作作者と同姓同名)。
ある日、道尾は恐ろしく奇妙な体験をすることとなる。
その不可解な出来事を相談するために訪れたのは、大学時代の同窓であり、霊現象の研究をしている真備庄介の事務所。
道尾と真備、そして真備の助手である北見凛は、真相を探るべく動き出すのですが….。
真備霊現象探求所
主人公が道尾秀介と、まさに作者と同姓同名であり、職業までもがホラー作家という点も面白いですが、
その相棒と言ってもいい真備庄介の職業にも注目していただきたい。
霊現象探究とは?
文庫で上下巻と長めの物語。
なかなか確信に触れてこない?とソワソワしたりもしましたが、さすが道尾秀介。
デビュー作から既に、至るところに伏線が張り巡らせてありました!
作中に出てくる村のしきたりや、言い伝えなどが真相を知る上での鍵となり、ちょっとした勘違いから現れる違和感。
ホラーサスペンス賞の特別賞を受賞しただけに、ホラー色も濃いめ!
ドキドキしながら読み進めました。
この【 背の眼 】は2012年にテレビドラマで映像化もされています。
真備庄介役ー渡辺篤郎
道尾秀介役ー平山浩行
北見凜役ー成海璃子
と気になる配役。渡辺篤郎さんも平山浩行さんもカッコ良かったです。
内容は原作と多少異なる部分はありましたが、映像化されることで更に恐ろしさが増しているようにも感じました。
この作品は真備シリーズとして続編もあるとのこと。
2作目が【 骸の爪 】、そして3作目は短編集で【 花と流れ星 】とのことです。
道尾秀介作品はどれも登場人物が味があって良いのですよね。
今作の真備や道尾の今後もとても気になるところなので、2作目・3作目と読んでいきたいと思っています。