白と黒
乙一 著
【 暗いところで待ち合わせ 】
乙一さんと言えばミステリーのイメージが強いです。
どんな方なのだろうと調べた先のウィキペディアの内容が面白かったです。
小学生の頃に、60kgを越す肥満児。
14歳の頃に、一念発起してダイエットを成し遂げる。
とても努力家な一面も。というか、こんな事まで記載されているのですね。
友人やお姉さんから借りた、我孫子武丸「殺戮にいたる病」、綾辻行人「十角館の殺人」、島田荘司「御手洗潔シリーズ」などから、今に至る影響を受けたとか。
『GOTH リストカット事件』では本格ミステリ大賞を受賞するなど、ファンの多い作家さんです。
心温まる作品から、残酷な描写が多い暗い作品まで…。
作風がコロコロと変わる様子から、ファンの間では「白乙一」「黒乙一」と呼ばれることもあるそうです。
そんな乙一さんの作品を初めて読みましたが、一気読みでした。
暗いところで待ち合わせ あらすじ
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。
職場の人間関係に悩むアキヒロ。
駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。
犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。
他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。
奇妙な同棲生活が始まった――。
出典 : 暗いところで待ち合わせ
ある事故で、視力を失った主人公のミチル。
生活を共にしていた父親を亡くし、盲目でありながら、一人で生活することに。
そんな中、家の目の前で起きた殺人事件。
犯人として追われているアキヒロは、ミチルの目のことを知り、家に忍び込む。
そして物語は思わぬ展開に!
表紙の女性?
この表紙、暗闇から見つめられているような「怖い」印象を受けますよね。
多分、主人公のミチルだと思うのですが。
読了後に見直すと、ミチルの家に忍び込んだアキヒロが暗闇からミチルの動向をうかがっているようにも見える!
モワッとした輪郭のハッキリしない絵のせいで、女性なのか…男性なのかも分からない。
パッと見は女生っぽいですが…。
とにかくこの表紙が怖い!
殺人事件が絡んでくることも考えると、とても残酷な描写や結末が待っているのだろうな。と覚悟して読み進めました。
目が見えないことで、家に人が忍び込んだことを知らずに生活するミチル。
家の主にバレないように、彼女の毎日のルーティーンにしっかりと寄り添って生活するアキヒロ。
しかし、少しずつ生じる違和感。
そして互いにあることを確信する。
怖い!怖い!怖い!!!
と思っていましたが、だんだんと話の展開が!
私が想像していた内容とは、まったく異なる内容に…。
え!?
めちゃくちゃ面白い!
感動しちゃいました。泣くかと思った。
これは人に勧めたくなる、素晴らしい作品だ思っています。
映画版「暗いところで待ち合わせ」
2002年は小説として発売された作品ですが、2006年には映画化されています。
主人公のミチル役には、田中麗奈さん。そしてアキヒロ役は、台湾の俳優であるチェン・ボーリンさんが演じています。
映画版のアキヒロは、中国人とのハーフということになっていますね。
他にも、佐藤浩市さん・井川遥さん・岸部一徳さんと、キャストも豪華。
田中麗奈さん演じるミチルが、素直で真面目で一生懸命で可愛い。
映画版の【 暗いところで待ち合わせ 】もとても良かったです。
アマプラでは無料じゃなかったので借りてきましたが、わざわざ借りてでも観て良かったと思える作品でした。
是非、小説で衝撃の展開に触れた後には、映画版も確認してみてほしいです。
おすすめしていただいて良かった!面白かったな〜…。