【 八月の銀の雪 / 伊与原新 】

八月の銀の雪 伊与原新 小説

 

第164回直木三十五賞候補作!

2021年本屋大賞ノミネート作品!

 

 

5つの繊細な物語

 

 

伊与原新 著

八月の銀の雪

 

 

初の伊与原新さんの作品!

推理作家さんでもあるとのことで、過去の作品で【 お台場アイランドベイビー (角川文庫) 】が、角川が主催している横溝正史ミステリ大賞を受賞しています。

 

正直、あまり聞き馴染みの無い作家さんだったためにノーマークの作品だったのですが…。

めちゃくちゃ面白かったです。

今回の本屋大賞ですが、ほとんどが長編作品。

この【 八月の銀の雪 】は5つの物語が詰め込まれている短編作品集なのですが、全部良い!

長編作品を立て続けに読んでいたので、正直短編は物足りなく思うんじゃないかと思っていました。

そんな思いを覆された。

本当に、一つ一つの物語が良くて感動してしまいました。

 

呪術で世界がおかしくなってしまうファンタジーの世界だったり…。

学生が皆使っている、マッチングアプリを中心に巻き起こる青春の物語であったり…。

 

そんな壮大な世界の物語たちの中にあっても申し分ないほどに、丁寧でいて、繊細な5つの短編作品。

直木賞の候補にあがっていたのにも納得です。

 

 

八月の銀の雪 あらすじ

 

 

耳を澄ませていよう。地球の奥底で、大切な何かが静かに降り積もる音に――。

不愛想で手際が悪い。

コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた真の姿とは(「八月の銀の雪」)。

会社を辞め、一人旅をしていた辰朗は、凧を揚げる初老の男に出会う。

その父親が太平洋戦争に従軍した気象技術者だったことを知り……(「十万年の西風」)。

科学の揺るぎない真実が、傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。

出典 : 八月の銀の雪

 

 

八月の銀の雪

地球のコアのお話。

 

海へ還る日

クジラのラブソング。

 

アルノーと檸檬

伝説の伝書鳩アルノー。

 

玻璃を拾う

美しい珪藻アートの世界。

 

十万年の西風

現代人が知っておきたい科学の闇。

 

 

人間が長い年月をかけて少しずつ解き明かしてきた自然と科学。

それは、ほんの小さな好奇心から生まれた奇跡でもある。

そして、そこには沢山の犠牲もあった。

今の世界にある科学は、過去の人々の汗と努力の結晶でもあるのです。

 

 

自然と科学の力

 

 

伊与原新さんは、地球惑星科学を専攻し、東京大学大学院博士課程を修了したというすごい経歴の持ち主だそうです。

今作の【 八月の銀の雪 】も、理系の知識が散りばめられた、未知の世界がありました。

 

地球の中心(コア)の部分がどのようになっているか知っていますか?

謎も多いクジラの生態。そんなクジラのラブソングを聴いたことがありますか?

珪藻土というと最近馴染み深いものですが、ではそんな珪藻ってどんなものか知っていますか?

珪藻アートというものをご存知ですか?

 

どの物語も、どの世界も初めて知ることばかりでとても新鮮でした。

個人的に一番好きだったのは「玻璃を拾う」でした。

 

そこに出てくる珪藻アート。

珪藻と聞くと、すぐに思いつくのは珪藻土。

あの、水分を瞬殺で吸収してくれる、バスマットやコースターを思い浮かべます。

 

写真はイメージです

 

珪藻とは、単細胞の植物プランクトンの一種だそうで、ガラス質の殻を持っています。

小さな小さな貝のイメージを持ちました。

そんな顕微鏡などでしか見えない生物。

珪藻を並べたアート、珪藻アートというものが存在します。

是非一度、「珪藻アート」で検索して調べてみて欲しいです。

そこには、ガラス細工のような美しいアートの世界が広がっています。

 

玻璃とはガラス。

玻璃を拾う=珪藻を拾う。

ガラスのような繊細な心を持った登場人物にも注目です。

 

是非、【 八月の銀の雪 】であなたも、生物・天文・気象…といった世界で科学に触れてみてください。

 

 

 

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