お爺さんと3匹の猫たち
サンタクロースのようで、温かい心を持ちつつもどこかお茶目なオルオラネ爺さんと、青い毛並みのイルイドネ・白いふわふわ毛玉のマレット・白い毛並みのショフレンの3匹の猫。
沢山の人々がオルオラネ爺さんと3匹の猫たちに心救われる心温まる物語。
この完全版は
「ねこひきのオルオラネ」
「そして夢雪蝶は光のなか」
「天竺風鈴草」
「こころほし てんとう虫」
「年末ほろ酔い探偵団I」
「年末ほろ酔い探偵団II ー雪夜草の話ー」
「ばく」
の7つの短編作品が収められています。
3匹の猫
表紙にいる3匹の猫。
真ん中にいる青い毛並みで凛々しい顔立ちのイルイドネ。
その右手にいるふわふわな毛玉のようなマレット。
伸びをしながら大きくあくびをしているのいがショフレン。
なんと、この猫たちはお酒が大好き。
お酒があるところへ突如現れる猫たち。
なんでお酒なんか飲むようになってしまったのか…
そこにはこの子たちのある「特技」が影響していました。
お酒を飲むことで猫たちに現れる素敵な影響とは。
オルオラネ爺さんが撫でる猫たちの柔らかいお腹や、しっとりした鼻。
猫好きにはたまらない描写が盛りだくさんなところも必見です。
自然溢れる幻想の世界
オオカバマダラ、アキアカネ、松虫草といった草木や虫たち。
短編の何作品かは、舞台が美しい、景色が見渡せる山の中。
実際に存在する自然はもちろん、この【 猫弾きのオルオラネ (ハヤカワ文庫JA) 】でしか出会えない幻想的な自然風景がとても美しい。
「そして夢雪蝶は光の中」ではタイトルの通り、宙を舞う蝶の美しい様が描かれています。
緑が敷き詰められた自然の中を歩いているような感覚。
そんな自然の中で出会う人や植物や生き物。
山を探索しているようで、読んでいて気持ちが良くなりました。
こころの浄化
いやなことも、楽しいことも、みんなまとめてひとつのことなのね。どちらかだけを拒否することなんて、できないし、どちらかだけを手に入れることもできないのよ。勇気を持ちなさい
オルオラネ爺さんに救われる人々の悩みや葛藤は誰もが抱え込んでいるものが多く、とても他人事とは思えないものばかり。
こころが開かれて救われていく、心地よい感覚に浸ってみてください。
オルオラネ爺さんがある手法で奏でる美しい音楽に心が洗われる。
読了後には、ほっこりと温かい気持ちになっていると思います。
この作品は1992年にアニメ化し、放送されていたらしいです。
またこのアニメの声優さんがすごいんです。
ぼく:関俊彦 (NARUTOではうみのイルカ、鬼滅の刃では鬼舞辻無惨)
オルオラネ:銀河万丈(北斗の拳ではサウザー、機動戦士ガンダムではギレン・ザビ)
イルイドネ:林原めぐみ(新世紀エヴァンゲリオンでは綾波レイ、名探偵コナンでは灰原哀)
ショフレン:中博史(ONE PIECEではモンキー・D・ガープ)
マレット:折笠愛(天地無用!では魎呼、サクラ大戦では藤枝あやめ)
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ねこひきのオルオラネ
アニメも一度観てみたいと思うほどの豪華声優陣。
あとがきには今後の続編を匂わせながらも、今作で完結の決定本とあったのが少し残念でもありました。
私もこの作品を手元に置いて、いつでもオルオラネ爺さんに会えるようにしようと思います。
猫を弾くとは…