第七回本格ミステリ大賞 受賞!
ミステリの天才!
道尾秀介 著
【 シャドウ 】
この紹介記事を書いている際に調べていて思ったのですが…。
道尾秀介さんって、デビュー作である【 手首から先 】から日本ホラー小説大賞にノミネートされたり、その後も作品を出すごとに大きな賞の受賞候補になったり、実際に受賞されていたりとすごい。
出す作品、出す作品、その都度話題になっているのですね。
私自身もなんでもっと早くに読んでおかなかったんだと後悔するほどに現在ハマっております。
そんなわけで、立て続けに道尾秀介作品を読んでおります。
シャドウ あらすじ
人は、死んだらどうなるの?――いなくなるのよ――いなくなって、どうなるの?――いなくなって、それだけなの――。
その会話から三年後、凰介の母は病死した。
父と二人だけの生活が始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。
そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが……。
父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは?
出典 : シャドウ
「愛する」こと
精神科医の父を持つ小学5年生の凰介。
母を癌で亡くし、父と2人での生活が始まるも、更なる不幸に巻き込まれる。
そして、父・洋一郎の身にも異変が…。
もう、お父さんと2人幸せにさせてあげてよーー!!
と言うほどに報われない凰介。
しかし、母の死を経験して、父をも悲しみから救い出したいと強くなっていく凰介。
この小学5年の凰介が成長していく過程がいい!グッときちゃう!
精神疾患を題材としている部分もあり、医学的な面が事件の鍵となっていたり。
巧みな仕掛けが盛り沢山で、前回の【 向日葵の咲かない夏 】でまんまと騙されたばかりだと言うのに、結局騙される。
物語は中盤から徐々に真相へと向かって加速していく。
二転三転する状況に、何度も驚かされました。
予想は裏切られ、しかし期待は裏切らない!!
完全に道尾秀介マジックにやられております。
東京創元社60周年記念にからめて、インパルスの板倉俊之さんが『シャドウ』の帯に推薦文を寄せてくれました。 pic.twitter.com/21fO4gKSnZ
— 道尾秀介 (@michioshusuke) April 10, 2014
インパルスの板倉俊之さんもノックアウトされていましたね。
割と遅読な私ですが、今作も一気読みでした。
物語の内容やトリックももちろん面白かったのですが、今作は登場人物が良かったな。
胸糞シーンがあったりと、全ての登場人物が好き!とは言いませんが。
一人一人にしっかりと物語があり、その一人一人で視点が切り替わって話が進んでいく構成も良かったです。
「愛する」の反意語は「無関心」
家族の在り方には色んな形があり、何が正解なんてないと思いますが、やはり良き理解者であり、一番の味方でいたいな。
今作も見事な伏線回収に大興奮だった私です。
【 向日葵の咲かない夏 】は少し後味の悪い部分もありましたが、【 シャドウ 】は個人的にはスッキリとした気持ちになれました。
こちらの作品を手に取る際には、読む時間に気をつけてくださいね!
一気読み待ったなし!
先が気になるので寝る前なんかに読み始めたら大変ですよ。