2020年本屋大賞ノミネート作品
誰もが知ってる昔話
【一寸法師】→【一寸法師の不在証明】
【花咲か爺さん】→【花咲か死者伝言】
【つるの恩返し】→【つるの倒叙がえし】
【浦島太郎】→【密室龍宮城】
【桃太郎】→【絶海の鬼ヶ島】
「むかしむかしあるところに…」
から始まる、誰もが知っているあのおとぎ話。
アリバイ崩し、イヤミス、倒叙、クローズドサークル、どんでん返し。
様々は技法が使われた奇妙なミステリー作品。
一寸法師の不在証明
お姫様を守るために勇敢に鬼に挑む一寸法師。
しかし、それがある人物の、ある野望への計画だったとしたら…
花咲か死者伝言
「枯れ木に花を咲かせましょう」
心優しい老夫婦の元に舞い込んだ財宝。
そんな幸せもつかの間、欲に目がくらんだ黒い魔の手が迫る…
つるの倒叙がえし
助けてもらった鶴が体を張って行う恩返し。
その甘い蜜の味を知ってしまった青年。
こんなつもりでは無かった鶴の恩返し。
しかしその一連の発端は…
密室龍宮城
亀を助けて連れてこられたのは、世にも美しい龍宮城。
歓迎された浦島太郎は、なぜか密室殺人の謎解きをすることに。
とある大きな計画に巻き込まれる…
絶海の鬼ヶ島
「お腰につけたきびだんご、一つ私にくださいな」
鬼目線の桃太郎?
いや、これこそが本当の鬼退治だったのかも…
鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!鬼!
メモ必須!
本屋大賞ノミネート作品の中でもとてもインパクトのある表紙とタイトル。
POPな絵からは想像できないような、妬みや、欲望といったおぞましい物語が、実は隠されています。
中には物語の内容を見事に逆手に取った謎解きがあり、どれもお見事。
【つるの倒叙がえし】のストーリーに、「なるほど」と感心。
さらに【絶海の鬼ヶ島】では、まさかまさかの展開に先が全く読めずで、こうきたか…とやられた感満載でした。
元々の物語の内容をそのままに、うまく利用していたり、舞台の見取り図があるのも面白い。
懐かしいでは済まない5つの物語
是非一度読んでみて、お気に入りの作品を探してみてください。
私個人的には【つるの倒叙がえし】が一番のお気に入りです。
なんだか、倒叙ミステリーというと古畑任◯郎を思い出してしまい、頭の中で流れるあのBGMを聴きながらの謎解きがまた楽しかったのです。
5つの作品のうち何作品かで思い知らされる女って怖い!
決して子供には読み聞かせられないザワつくおとぎ話。
めでたし…めでたし…?