2021年本屋大賞ノミネート作品を読んでみて
今年も個人的な考察をまとめてみました。
※あくまで個人的な考察になります。
※どれも素晴らしい作品であり、記事が長くなります。
簡単な紹介と作品別オススメポイント
作品ごとの詳細は、リンクより個別記事に記載しております。
【 逆ソクラテス 】 伊坂幸太郎
http://aya2020book.com/逆ソクラテス/
小学生を主人公にした短編集。
最大の敵は先入観!
理不尽な事柄に疑問を持ち、立ち向かう勇敢な少年たち。
読了後の爽快感を味わってほしい。
おすすめポイント
【先入観に打ち勝つ】【リズミカルな伏線回収】【爽快感】
【 推し、燃ゆ 】 宇佐見りん
主人公である高校生のあかり。
ある日、推しのSNSが炎上。彼女にとって推しとは。
そして推しは「人」になった。
おすすめポイント
【推しの尊さ】【脅威の表現力】【芥川賞受賞作品】
【 オルタネート 】 加藤シゲアキ
http://aya2020book.com/オルタネート/
現役高校生のみ使うことのできるアプリ「オルタネート」。
そんな「オルタネート」を軸に、3人の高校生目線で描かれる青春満載の物語。
人と人との繋がりを改めて考えていく。
おすすめポイント
【新しい繋がりの方法】【アオハル】【高校生ならではの悩みや葛藤】
【 自転しながら公転する 】 山本文緒
http://aya2020book.com/自転しながら公転する/
主人公の都は32歳。
仕事のこと、結婚のこと、親のこと…悩みは尽きず、いつもグルグルと目が回る思い。
共感度100%のリアルすぎる問題たち。
おすすめポイント
【他人事ではないリアルな悩み】【刺さるチクチク感】【30代女性事情】
【 52ヘルツのクジラたち 】 町田そのこ
http://aya2020book.com/52ヘルツのクジラたち/
ある日、母親から虐待を受ける子供「ムシ」と出会った貴胡。
貴胡には「ムシ」を放って置けない悲しい理由があった。
誰にも届かない声で孤独を叫び続ける。それはまるで52ヘルツのクジラのようだった。
おすすめポイント
【感情が揺さぶられる】【涙】【様々な賞を受賞している話題作】
【 八月の銀の雪 】 伊与原新
http://aya2020book.com/八月の銀の雪/
人々が長い年月をかけて解き明かしてきた自然と化学。
そんな自然と化学の美しい物語の短編集。
化学の揺るぎない真実が、傷ついた心に希望の灯りをともす。
おすすめポイント
【知っておきたい化学の世界】【繊細で美しい物語】【理系研究者の本気】
【 お探し物は図書室まで 】 青山美智子
http://aya2020book.com/お探し物は図書室まで/
偶然立ち寄った小さな図書室。
様々な悩みを抱える5人の登場人物は、そんな図書室の司書の元へ。
白熊のような大きな体の司書さんにすすめてもらった本により、人生に変化が…。
おすすめポイント
【様々な環境下での悩みを解決】【本が好きになる】【可愛い付録】
【 この本を盗む者は 】 深緑野分
http://aya2020book.com/この本を盗む者は/
本が嫌いな主人公の深冬。
ある出来事から、本にかかった不思議な呪い・ブックカースに立ち向かうことに。
本に触れていくことで変わっていく深冬の気持ちと、隠された真実。
おすすめポイント
【ファンタジー】【呪術】【想像力が掻き立てられる】
【 滅びの前のシャングリラ 】 凪良ゆう
http://aya2020book.com/滅びの前のシャングリラ/
小惑星の衝突により、地球が滅亡!?人類は突然残り一ヶ月の余命宣告をされる。
明日死ねたら…なんて思っていたのに、突如湧き上がる生きる希望。
死を目前に何を考えるか。幸せとは何か。
おすすめポイント
【家族愛】【サバイバル感】【前回本屋大賞受賞作家作品】
【 犬がいた季節 】 伊吹有喜
http://aya2020book.com/犬がいた季節/
ある高校に迷い込んだ白い犬。
移り変わっていく時代の中で白い犬「コーシロー」が見つめてきた18歳たち。
変わっていく時代の中、変わらないものがある。
おすすめポイント
【昭和から令和への時代の流れ】【甘酸っぱい青春】【門出の決断】
感情別・描写別カテゴリー分け
感動で涙=【52ヘルツのクジラたち】【八月の銀の雪】
美しい・綺麗=【推し、燃ゆ】【八月の銀の雪】
心が温まる=【お探し物は図書室まで】【犬がいた季節】【八月の銀の雪】
青春=【逆ソクラテス】【オルタネート】【犬がいた季節】
苦しい・辛い=【自転しながら公転する】【52ヘルツのクジラたち】
驚愕のラスト=【この本を盗む者は】【滅びの前のシャングリラ】
一気読み=【推し、燃ゆ】【52ヘルツのクジラたち】
Twitter上での反応
※読了ツイートやTLから感じた個人的は反応です。
私のTwitterアカウント(読書アカウント)のフォロワー様からの評価が高く感じられた作品は以下になります。
【自転しながら公転する】【お探し物は図書室まで】【52ヘルツのクジラたち】
あくまで私の読了ツイートのリプやいいね・インプレッションから見た反応の大きさです。
昨年の2020年度本屋大賞と比べても、今年度の本屋大賞の考察はとても難しく感じました。
というのも、本当に読者それぞれで感じ方が変わる作品が多く、性別はもちろん、年齢や自分の置かれている環境で良し悪しが左右されるように感じます。
この作品が人気!!というよりは、この作品への共感度が高い!という点が受賞へ繋がるのかもしれません。
タイムラインで他のフォロワー様の読了ツイートを見ていても、自分とは異なる感想も多く、とても興味深かったです。
どの作品が大賞をとってもおかしくないこの状況で、いったいどの作品が大賞を取るのか!
今から楽しみですね。
個人的コレ!!!
今年もさすが本屋大賞ノミネート作品。
どの作品も面白かったです!
そんな10作品の中から、個人的に1つ!これっ!を選ぶとしたら…。
実はズバ抜けてグッときた作品がありました。
Twitterでも度々感動を叫んでしまった作品は【 52ヘルツのクジラたち 】でした。
http://aya2020book.com/52ヘルツのクジラたち/
見ていて辛くなるような描写もあるので、好みが分かれるかもしれない作品です。
ですが、もう中盤から涙が止まらず感情移入してしまいました。
私は大切な人の叫び声に耳を傾けることができるのか。
自分が叫んだ時にその叫びに耳を傾けてくれる人はいるのか。
すごく考えてしまいました。
孤独って本当に孤独なんだな。
登場人物の言葉にも刺さるものが多く、読了後は余韻でボーっとしてしまいました。
昨年の受賞作品【 流浪の月 】で感じた読了感に少し似ていたかもしれません。
今年は尚更、自分の置かれている環境でも左右されると思います。
皆さんは「コレッ!!」という作品はありましたでしょうか。
本屋大賞予測
個人的一冊とは別に、大賞を勝ち取る作品はコレなのでは!!を考えてみる。
本屋大賞とは、書店で働く書店員さん(アルバイト、パートも含む)の投票から決定するものです。「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分のお店で売りたい」と思う本を選ぶこと。
お客様に薦めたい!薦めやすい!一冊とは。
過去の受賞作品、受賞作家を見てみましょう。
2020年本屋大賞(第17回) 【 流浪の月 】凪良ゆう
2019年本屋大賞(第16回) 【 そして、バトンは渡された 】瀬尾まいこ
2018年本屋大賞(第15回) 【 かがみの孤城 】 辻村深月
映画化の宝庫とも言われる本屋大賞。
2017年度の大賞作品【 蜜蜂と遠雷 】も映画になっていたことを考えると、映画化しやすい作品…。
また、本屋大賞を過去2回目を受賞した作家さんは恩田陸さんだけなんです。
何度も作品がノミネートされている伊坂幸太郎さんでさえ、2008年度に【 ゴールデンスランバー 】で受賞した以来受賞していないのです。
過去に受賞経験がある作家さんが再度受賞するというのも、なかなか高い壁なのかもしれません。
今年は伊坂幸太郎さん、凪良ゆうさんと受賞経験のある作家さんがいます。
凪良ゆうさんが受賞となると前代未聞の2年連続受賞となります。
また、芥川賞を受賞している【 推し、燃ゆ 】が本屋大賞も受賞というのもすごいことです。
そんな快挙も見てみたい気もします…。
上記のことを考慮した上で考えていくとなると…。
共感度の高い【 自転しながら公転する 】。
メディアでも話題になっていた【 52ヘルツのクジラたち 】。
はやはり注目なんじゃないかと思っています。
本屋大賞スケジュール
2020年12月1日(火) 一次投票、発掘部門、翻訳小説部門、投票スタート
2021年1月4日(月) 一次投票、発掘部門、投票締め切り
2021年1月21日(木) ノミネート作品発表、二次投票スタート
2021年2月11日(木祝) 翻訳小説部門、投票締め切り
2021年2月28日(日) 二次投票締め切り
2021年4月5日(月) 超発掘本の結果発表
2021年4月14日(水) 大賞作品、翻訳小説部門の結果発表
大賞作品発表の4月14日まで1週間を切りました。
ついに10作品の中から1作品が選ばれます!
書店員さんによる本好きの一冊!
最近は2018年度の受賞作品である【 かがみの孤城 】が文庫化されたりと受賞後も話題になる大きな賞です。
今年もノミネート作品全てを手に取ることができて嬉しく思います。
ここまで目を通してくださる方はいるのかしら…というほどに長く、個人的な考察が多くなってしまいました。
最後まで読んでくださった読者様、ありがとうございます。
今年も個人的な見解や考察が多く、自分勝手な記事になってしまったことをここにお詫び申し上げます。