【 オルタネート / 加藤シゲアキ 】

オルタネート 加藤シゲアキ 小説

 

第164回直木三十五賞候補作!

2021年本屋大賞ノミネート作品!

 

アイドルと小説家

 

加藤シゲアキ 著

【 オルタネート 】

 

オルタネート 加藤シゲアキ

 

加藤シゲアキさんと言えば、アイドルグループNEWSのメンバーですよね。

2012年に【 ピンクとグレー 】で小説家としてデビューしています。

当時、アイドルと作家の両立が話題になりました。

 

第164回直木賞にノミネート

受賞は逃しましたが、その後、2021年本屋大賞にもノミネートされて話題を呼んでいます。

加藤さんが文学賞にノミネートされるのはこの【 オルタネート 】が初めてのこと。

ましてや、アイドルの作品が直木賞にノミネートされることさえ初めてなのでは?

2020年11月の初版から、現在2021年1月。

わずか3ヶ月足らずで、累計10万部(5刷)を達成!!

マッチングアプリ」をテーマにした、その現代らしい物語の内容も人気となった理由の一つなのでしょう。

 

オルタネート あらすじ

 

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。

東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。

全国配信の料理コンテストで巻き起こった〈悲劇〉の後遺症に思い悩む蓉(いるる)。

母との軋轢により、〈絶対真実の愛〉を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津(なづ)。

高校を中退し、〈亡霊の街〉から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志(なおし)。

恋とは、友情とは、家族とは。

そして、人と“繋がる”とは何か。

デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体――。

出典 : オルタネート

 

「オルタネート」という現役高校生しか利用できないマッチングアプリ

そんな「オルタネート」を軸に、3人の高校生の視点で描かれる青春満載の物語。

沢山の登場人物を巻き込んでいく「オルタネート」。

そこには、高校生ならではの葛藤や、周りには打ち明けられないような悩み。

人と、人との繋がりとは。

 

オルタネート[alternate]

1. 交互に起こる、互い違いになる、交互に繰り返す

2. 《電気》〈電流が〉交流する

3. 代わりのもの、交代要員、代理人、補欠

 

マッチングアプリ「オルタネート」

 

物語のメインとなるのがこの「オルタネート」というマッチングアプリ。

現役の高校生しか使えないアプリであり、高校を卒業、もしくは退学をすると使えなくなるシステム。

写真付きの生徒手帳を撮影し、登録することでこれが可能となる。

 

自分が当てはまる項目をチェックすることで、条件に見合うオルタネートユーザーを選別し、表示してくれる。

その項目には、「同校」「友人目的」「真剣交際目的」「異性」など事細かくチェックを入れることができ、同じ条件下の相手を探すことが可能となる。

気になる相手にフロウ(フォロー申請的な)を送り、それを受けて相手もフロウを送り返してくれるとコネクト(繋がる。やり取りができるようになる。)される。

 

それはまさに「オルタネート」。

〈電流が〉交流する

交流電流。

運命の出会いの比喩としては、恥ずかしいくらいうってつけだ。

 

青春

 

高校生活を謳歌する3人がとても眩しかったです。

 

 

時には苦しく、時には甘酸っぱく。

SNSといったネット上での繋がりや、出会いというものも、今や変わったことでは無いんですね。

相手のことが良く分からず、受け取った情報が宙に浮いているような、そんな恐ろしいイメージはいつの間にか薄れているのですね。

(それでも個人情報の取り扱いには気をつけてね☆)

 

「ヒト白血球抗原(HLA)っていう遺伝子が、フェロモンに関係してるって」

 

これが、体臭に関わっていて、自分とは遠いHLAを持っている人を求めることで、免疫力の高い子孫を残すように脳が出来ているとのこと。

こんな遺伝子データを使えば、ネット上だけでも運命の出会いが可能になるのかもしれない…。

こんなことがいつかは当たり前になるのでしょうか。

 

そこに青春ってあるの?

確かに便利なものは沢山ありますが、やっぱり人間の本能的な部分も大事にしたいですよね。

そんなことを思いながら、3人の青春真っ只中の高校生活が羨ましく思いました。

 

ネット上の情報にいつの間にか翻弄されていることもあるでしょう。

しかし、本当に大事な物は、自分で何を信じるのかを導き出すこと。

機密なAIデータよりも大事なものを、人間は持っているかもしれない。

 

 

https://twitter.com/Aya2020book

 

 

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