コロナの時代に、とんでもないヒーローがあらわれた!
という文言に、発売前から気になっていた作品です。
東野圭吾 著
東野圭吾の新作!
コロナ禍で巻き起こる犯罪。
帰省が考慮されたり、リモートでの仕事風景といったリアルな描写もたくさん。
表紙の絵からも分かるように、殺人もありながら、割とおもしろおかしく読み進められるコミカルな内容でした。
【 ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) 】以来の久しぶりの東野圭吾作品!
コミカルな内容に少し物足りなさもありながら、事件を解決に導く主人公の叔父のキャラに癖があって、終始飽きずに読めました。
単行本で439ページと長編ではありますが、とても読みやすい作品だと思います。
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 あらすじ
名もなき町。ほとんどの人が訪れたこともなく、訪れようともしない町。
けれど、この町は寂れてはいても観光地で、再び客を呼ぶための華々しい計画が進行中だった。
多くの住民の期待を集めていた計画はしかし、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。
町は望みを絶たれてしまう。
そんなタイミングで殺人事件が発生。
犯人はもちろん、犯行の流れも謎だらけ。当然だが、警察は、被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。
いったい、何が起こったのか。
そこに颯爽とあらわれた〝黒い魔術師〟が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、犯人と警察に挑む!
コロナウイルスによって変った世界。
人の訪問が無くなり閑散としていく観光地。
そんな町を救うため、地元の人間たちが町おこしに奮い立つ!
そんな中で起こった殺人事件。
そしてこの事件を解決へと道にいてくれるヒーローがあらわれる。
時には人のメンタル部分を読んだ鋭い考察があったり、時にはマジックのように人を惑わせたり。
爽快に事件を解き明かしていくその様子は、読んでいて気持ちの良いものでした。
マジック×ミステリー
シリーズ化してほしい!なんて声が多いほどキャラも立っている。
「コロナ」と言うとてもデリケートでいて、タイムリーな話題を使っていながら、深掘りしすぎない感じがうまいなーと思いました。
また、町おこしに使われるのが「幻ラビ」という作中で人気の漫画!
世間では鬼滅の刃の映画が、国内の歴代興行収入1位となったり。
そんな場面を思い浮かべるような、現代の流行りや話題といったものを取り入れた、リアリティ溢れる物語!
この事件を解決へと導くヒーローというのが元マジシャンなのですが。
人の表情や行動から情報を抜き取る!もうそれはメンタリスト!!
そんな最強な洞察力は警察も一網打尽!
うまくいきすぎ!出来た話すぎる!…なんて思いつつもそこはコミカルに。
少しずつ、少しずつ解き明かされていく事件内容はさすが東野圭吾。
ブレずに面白かったです。
是非、このヒーローが起こすマジックにあなたも魅せられてみてはいかがでしょうか。