【 鹿の王 / 上橋菜穂子 】

鹿の王 上橋菜穂子 小説

 

2015年 本屋大賞受賞作品!

第4回 医療小説大賞受賞作品!

 

心揺さぶる感動のファンタジー大作

 

上橋菜穂子 著

鹿の王文庫全4巻セット(角川文庫)

 

 

2014年に、児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞した児童文学作家としても有名な上橋菜穂子さん。

他の作品でも数々の賞を受賞している作家さんです。

 

そしてこの【鹿の王】は、2015年に本屋大賞を受賞

ファンタジー作品が受賞したのはこの【鹿の王】が初めてだったようです。

この年の本屋大賞には、直木賞を受賞した西加奈子さんの【サラバ!】、テレビドラマにもなった米澤穂信さんの【満願】など有名な作品もノミネートされていました。

個人的に大好きな西加奈子さんの【サラバ!】。

そんな作品を差し置いて堂々の1位を受賞した【鹿の王】はずっと気になっていた作品でした。

(サラバ!は2位を受賞。http://aya2020book.com/サラバ!/ )

ちなみに【鹿の王】3巻の解説は同じ舞台に上がった西加奈子さんが担当し、上橋菜穂子さんの世界観を絶賛していました。

 

公開が延期になっていますが、映画公開に合わせてこの度手に取りました。

 

鹿の王 あらすじ

 

強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。

妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。

ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。

生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てることにする。

一方、謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサルは、遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。

征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。

古き疫病は、何故蘇ったのか―。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り…!?

たったふたりだけ生き残った父子と、命を救うために奔走する医師。生命をめぐる壮大な冒険が、いまはじまる―!

出典 : 鹿の王【全4冊 合本版】 (角川文庫)

 

奴隷として囚われていた主人公ヴァン。

ある日、囚われていた岩塩鉱が犬の群れに襲われる。

犬に噛まれた奴隷たちに広まる謎の病。そして奴隷たちは命を絶つこととなる。

そんな中で生き延びたヴァンは、自分と同じ生き残りである謎の赤子と出会い育てることになる。

岩塩鉱を襲った犬の群れと、その後襲われた人々の間で発症した謎の病。

そんな恐ろしい病が強大な帝国を悩ましていく。

病からの生き残りである血の繋がらない親子と、その病の治療法を模索し追い求める医術師ホッサル。

人間は病に勝つことができるのか。

果たしてその悲劇の根本に眠る真相とは。

 

壮大な世界観と生命科学

 

ファンタジー作品というと個人的には、現実離れした世界観になかなか馴染めず読みにくいイメージがあります。

しかしながらこの【鹿の王】の世界観がすごい!

細かい部分まで緻密に設定されている世界は、実際に存在していたような感覚になります。

それもそのはず。

 

 

医療小説大賞を受賞しているように、この作品を作り上げていく上で医学的な知識…それも異世界における医学のあり方について考えないといけなかったと上橋菜穂子さんはおっしゃっています。

書き上げるまでには3年の時間を費やしたとのこと。

様々な専門家の力を借りて作り上げられた大作。

ファンタジーでありながら、作品から得られる「学」が多いのも魅力の1つだと思います。

 

人は、自分の身体の内側をみることはできない。

健やかなときは心が身体を動かしているような気がしているが、病めば、身体は、心など無視して動く。

それを経験して初めて気づくのだ。

——身体と心は別のものなのだと。

鹿の王 2 (角川文庫)  p214

 

人間の体はミクロコスモスと言われます。

身体の中でも働きや戦いがあり、小さなあれやこれやが人間を生かすために日々葛藤しているのですよね。

まさにそこには別の世界があるのです。

【鹿の王】を通して、広大な世界を見ながら、「生命」について今一度考えることでしょう。

 

登場人物

 

文庫では4冊にも及ぶ長編作品でありながら、物語の世界も広大とあって登場人物がとても多い。

ヴァン

飛鹿ぴゆいかに跨り戦った最強の戦士団<独角>の頭として東乎瑠を相手に戦ったが、敗れ、アカファ岩塩鉱で奴隷となっていた。

ユナ

岩塩鉱でヴァンガ拾った幼子。

ホッサル

二百五十年前に滅びたオタワル王国の末裔で天才的な医術師。

マコウカン

ホッサルの従者。

サエ

マルジの娘。跡追い狩人の中でも素晴らしい腕を持つ。

 

…トマ。オゥマ。季耶きや。アカファ王。スルミナ。トゥーリム。マルジ。スオッル。ミラル。リムエッル。トマソル。シカン。那多瑠なたる王幡侯おうはんこう迂多瑠うたる与多瑠よたる呂那ろな。ケノイ。オーファン。

(4巻冒頭人物紹介ではこんな人数になっていた。)

生まれた地域が異なることで名前が横文字だったり漢字だったり…血の繋がりから似たような名前になったり。

誰が誰だか分からなくなります!

Kindle版だとラストに電子オリジナル「鹿の王」キャラクターイラストがあるのですが…。

このイラスト最初に持ってきて欲しかったです。笑

1巻ごとに人物紹介はあるのでそこで確認しながら読み進めていきました。

 

 

そして、登場人物一人一人にも物語があり読み応えがあります。

主人公のヴァンは、過去にとある病で妻と息子を亡くしている孤独の戦士。

そんな過去を経験しながら出会った、とある病で母を失った赤子のユナ。

このユナが可愛いんですよね!

ヴァンを本当の父と見て懐く様子に、親でなくても無いはずの母性がくすぐられるはず

 

映画版「鹿の王 ユナと約束の旅」

 

当初、2020年9月に映画公開と発表されるものの、コロナの影響により2021年へと延期される。

そして今年2021年。

2021年9月10日に公開が決定されるも、またしても延期。

現在は公開延期で日程は未定となっています(2021年9月現在)。

 

 

あの「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」のキャラクターデザインを担当した安藤雅司の初監督ということもあり期待されています。

主人公ヴァンの声を堤真一。天才医術師ホッサルの声を竹内涼真が担当。

公開を待ち望んでいるファンの方も多いのでは。

 

公式サイトでは、告知映像やキャラチャートを見ることができるので、是非一度見てみてください。

 

再延期はとても残念ではありますが、安心して映画館に足を運べるその日を楽しみに待つとします!

そしてこの【 鹿の王文庫全4巻セット(角川文庫) 】には続編である【 鹿の王 水底の橋 (角川文庫) 】が存在します。

まだ明かされていない部分が解き明かされるのかもしれない…。

と、こちらの続編もしっかりチェックをして、映画公開の日を待ちたいと思います。

 

 

 

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