【 残月記 / 小田雅久仁 】

残月記 小田雅久仁 小説

 

2022年本屋大賞ノミネート作品!

 

圧倒的想像力

 

小田雅久仁おだ まさくに 著

残月記

 

 

初読みの作家さんでした。

デビュー作である【 増大派に告ぐ 】第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。

その後、2013年に刊行された【 本にだって雄と雌があります 】では、第3回Twitter文学賞国内編第1位を獲得。

今作【 残月記 】は3作品目ということで、謎の多いすごい作家さん…という勝手な印象!

そして過去の作品も、今作の【 残月記 】からも共通して言えるのが、小田雅久仁さんが凄まじい想像力の持ち主であるということ。

ダークファンタジー、恋愛、ディストピア…

息を呑む感動のエンターテイメント!

帯のキャッチコピーを見ても、Twitterのフォロワーさんの読了ツイートを見ても、内容が全く掴めない!

どんな内容なのか聞けば聞くほどわからなくなる。

 

そして読了後、この作品がすごい!と言われる意味がわかりました。

圧倒的想像力小田雅久仁の世界に飲み込まれる!

 

残月記 あらすじ

 

近未来の日本、悪名高き独裁政治下。

世を震撼させている感染症「月昂げっこう」に冒された男の宿命と、その傍らでひっそりと生きる女との一途な愛を描ききった表題作ほか、二作収録。

「月」をモチーフに、著者の底知れぬ想像力が構築した異世界。

足を踏み入れたら最後、イメージの渦に吞み込まれ、もう現実には戻れない――。

最も新刊が待たれた作家、飛躍の一作!

出典 : 残月記

 

』をテーマにした3つの物語。

 

 

そして月がふりかえる

大学教授である43歳、大槻高志おおつき たかし

家族と訪れたファミリーレストランで、満月が裏返る光景を見る。

その瞬間から高志の人生は一変した。

元の日常を取り戻すべく彼が取った行動とは。

 

月景石

澄香すみかは叔母である桂子けいこの形見として、月夜のような模様がついた石を貰い受ける。

生前の叔母の話によると、その石を枕の下に入れて眠ると月にいける夢が見れるとのこと。

しかしそれはとても悪い夢だ。とも叔母は言っていた。

出来心で試してみたところ、気づくと澄香は「表月連邦」の護送トラックの中にいた。

 

残月記

近未来の日本、人々を震撼させている感染病・月昂げっこう

満月期に精神も肉体も高揚するという恐ろしい病が広がり始めた。

天涯孤独の少年・宇野冬芽うの とうがも発病し拘束される。

そこで冬芽は、政府が極秘裏で計画しているとあるイベントへ参加することに。

愛する女のために彼は戦い抜いていく。

 

 

現実とはかけ離れた、世にも奇妙な物語たち。

怖い…。

しかしそんな中でも、大切なものを守ろうともがき、突き進もうとする人々。

人間の尊厳と勇気を見ることができました。

 

物語の誕生

 

元々は、雑誌に掲載されていた短編の物語。

連作短編集のお話がきた際に、7つくらいのお話を考えていたという小田さん。

そこで案として出ていたのは「月火水木金土日」という一週間の物語。

月曜日である『』からスタートしようと『』について、色々と調べていく中でこのテーマに定まったとか。

 

そして「残月記」の掲載が2019年。

月昂げっこう』という恐ろしい感染病を取り上げていますが、コロナ禍以前に作られたお話なんですね。

今この時代に読む上で、更に『月昂』の恐ろしさが浮き彫りになっている気がしました。

 

どの物語にも、ゾッとしてしまう怖さがあって、まさにダークファンタジー。

 

 

特に2作品目の「月景石げっけいせき」は怖かったですね。

身の毛もよ立つような描写もありながら、なんだかその恐ろしさに魅せられて読む手が止まらず…という感じでした。

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しかし、一番印象的で好きだった作品は、表題作でもある「残月記」でした。

人間の欲深さって黒くて怖い。

そんな歪んだ欲望や願望に翻弄されながらも、抗い続けた先にある儚くて美しい希望。

』の力はすごい!

』なんて言うと、恋愛小説ねぇ…と思われる方もいるかもしれませんが、

それは恋ではなく『』。

恋は受け取るもの。愛は与えるもの。

なんて言いますが、まさに与える『』。

そんな『』を魅て、じんわりと心が暖かくなりました。

(語彙力が足りず、表現しきれなくてごめんなさい。)

 

と、色々と話したんですけどね。

読み終わってから思うのが「読み終わっても腑に落ちないものがある」と言うことなのです。

これ、否定しているのではなくて、今までに読んだことがない作品で処理しきれていないといいますか。

考えれば考えるたびに【 残月記 】への自分の思いが変化するというか。

こうやって記事を書くことも難しく思っています。

嫌な意味ではなく、むしろ良い意味で戸惑っています。

新しいものを見たような。

とても不思議な読後感に浸りました。

 

この【 残月記 】がすごい!と言われる意味。

是非一度味わってみて欲しいです。

今後は月の見方も変わるかも…。

 

 

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