【 殺戮にいたる病 / 我孫子武丸 】

殺戮にいたる病 我孫子武丸 小説

傑作新本格ミステリ

 

長いこと気になっていた作品をついに手に取りました。

我孫子武丸あびこ たけまる 著

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

こちらは新装版カバー

 

このタイトル。幾度となく目にしてきました。

というのも、Twitter上で #名刺代わりの小説10選 にこの作品を入れている方が多いんですよね。

いつか読もうとずっと気になっていた作品でした。

 

読み始めるにあたって、フォロワー様からも様々な気になる声をいただきました。

x.com

・面白いから!!読んで!!!早く!!!!

・記憶を消して、もう一度読みたい!!

・やばいです。

 

沢山の読書家さんに愛されている、最高傑作であることが分かります!

冒頭の数ページでこの「やばい」が分かってきました。

 

殺戮にいたる病 あらすじ

 

永遠の愛をつかみたいと男は願った。

東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

犯人の名前は、蒲生稔がもう みのる! くり返される凌辱の果ての惨殺。

冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、

とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

出典 : 新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

永遠の愛を見つけるため蒲生稔はとても恐ろしい殺人犯に!

そんな息子の怪しい言動に疑いを持ち始める母親。

 

 

目をそらしたくなるほどの恐ろしい内容に、身の毛がよだちました。

サイコパスとはまさしくこのこと…。

とてもグロテスクな描写が続きます。

ですが、先が気になって気になって読み進めてしまう。

表紙にある謎のグニャリとした物体。

あれなのですね…。

 

そしてラストで全てが覆される。

 

叙述トリック

 

叙述トリックとは、あえて一部の事柄を伏せておくことで、その先にある事実や真相を誤認させるテクニックだそうです。

この叙述じょじゅつトリックとは別に倒叙とうじょミステリなんていうものがあったりします。

私はこれがたまに、どちらがどちらだったか分からなくなる。

ちなみに倒叙とは、『刑事コロンボ』『古畑任三郎』と言った有名作品のように先に犯人が明かされていたり、物事の時間的な流れをさかのぼって記述してあること。一応、倒叙の対義語は叙述になるのですね。

 

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫) 】では叙述トリックが使われています。

私もまんまとミスリードされました…。

このタネに気付けたらすごいよ!!とタネや仕掛けがあることは事前に知っていたのに!

まったく気付きませんでした。

叙述トリックの最高峰と言われるのにも納得です!

 

ラストは驚愕しました!

真相を知った瞬間、少し混乱しました。

明かされた真相を頭の中で必死に整理するも間に合わず!

思考停止…。

やっと理解するも、その真相に改めて胸をえぐられるような恐怖を覚えました。

 

この叙述トリック。破壊力がすごいですよね。

真実を突きつけられた瞬間、今まで読んでいた全ての感覚が崩壊していくような、「」の時間がありました。

人の先入観ってすごい!

絶対気付かないもの。

そんなにも、すごいトリックなのか!という人は是非とも挑んでみて頂きたいです!

初見で気付く人…いないかな…。

 

伏線回収

 

真実を知った上で少しだけ巻き戻って読み直してみました。

至るところに伏線がしっかりと隠されていました。

初見とは違う目線で読む【 新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫) 】も面白いです。

個人的にはちょっとだけ無理があるのでは?と疑問に思う部分もありましたが。

 

しっかりと集中して読み込めば気付けたのでしょうか…。

一人称とか…。

少しでも違和感は抱けたかもしれない!!

と読み返していくうちに、悔しく思っている自分がいて、それもまた楽しかったです。

 

二度目はまったく違う感覚で読み進めることが出来る、二度美味しい作品です!

気になる部分だけ戻って読み直しただけなので、私も改めてしっかり読み込みたいと思います。

殺戮にいたる病

 

 

先入観で、色々と決めつけてしまう私の思考も、きっとだ!!

 

 

x.com

 

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