恐怖と怒りと痛みに満ちた地獄
櫛木理宇 著
【 残酷依存症 】
【 殺人依存症 】の続編の物語。
前作も胸糞悪く、読んでいて辛い部分がありましたが、今作も負けじと読むのに気力がいる残酷さ。
前作を読まずにこちらから読んでいる方も目につきました。
しかし、前作ありきの作品だと思います。
【 殺人依存症 】読了後に気になる部分がありました。
そんな部分を気にしながら読んでいくと、ゾクゾク感も増し増し!
残酷依存症 あらすじ
サークル仲間の三人が何者かに監禁される。
犯人は彼らの友情を試すかのような指令を次々と下す。
互いの家族構成を話せ、爪を剝がせ、目を潰せ。要求は次第にエスカレートし、リーダー格の航平、金持ちでイケメンの匠、お調子者の渉太の関係性に変化が起きる。
さらに葬ったはずの罪が暴かれていき……。
殺るか殺られるかのデスゲームが今始まる。
出典 : 残酷依存症
人間不信
前作【 殺人依存症 】の事件を下敷きにしつつ、更なる残酷な事件を目撃する。
今作はグロあり…というか満載なので要注意!
読んでいて体のあちこちに痛みが走るような、恐ろしい描写に震えます。
あらすじにもあるように、大学サークル仲間の3人を主軸に話は展開されていきます。
青春時代を共にする仲の良い男同士の友情関係。
…と思いきや、徐々に溢れ出していく人間の黒い部分。
裏切り、妬み、騙し、脅し。
表面的に見えていた部分は綺麗に裏返り、相手を陥れることしか考えられなくなっていく。
更に、ホモソーシャルならではな世界で生まれる嫌らしさが残酷さに拍車をかける。
人間不信になりそうだよ…。
そして裏に潜んでいたのはやはり、あの…あの!!…あの影!!(待ってました!)
人間の心理的な部分をコントロールされているような恐ろしさが前作同様やってきます。
ラストは想像とは違った展開にびっくり!
個人的にはあの方についてもう少し深掘りしてほしかったと思う気持ちと、このラストにしっくりきている自分がいたり。
何が、誰が悪者なのか、分からなくなってしまったよ。
ちょっとこの意外な結末を味わってほしい。
そして、気付かぬうちに読者もあの恐ろしい人物に魅了されているかもしれない。