8億売れた面白さ
道尾秀介 著
【 向日葵の咲かない夏 】
8億円も売れたホラーミステリー作品。
ある道尾作品のPOPが、なかなかにエグくて面白い……。
どの本だかおわかりでしょうか。 pic.twitter.com/eb1Go6p3kB— 道尾秀介 (@michioshusuke) March 18, 2022
(あまり「どんでん返し」とか書きたくないのですが、帯に堂々と…と思っていてもやられました。と言うか「どんでん返し王」って!)
夏にぴったりのゾクゾクする作品を、夏終わりに手に取ってしまった。
ホラーが大好きで、最近立て続けにホラー作品を読んでいましたが、この作品はまた異質!
そう言えば、ある殺人事件の犯人がこの作品を持っていたとして有名になったような…。
向日葵の咲かない夏 あらすじ
夏休みを迎える終業式の日。
先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。
きい、きい。妙な音が聞こえる。
S君は首を吊って死んでいた。
だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。
一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。
「僕は殺されたんだ」と訴えながら。
僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。
あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。
出典 : 向日葵の咲かない夏
トラウマ注意
主人公のミチオが学校帰りに、友人の自宅でその友人が首を吊って死んでいるのを目撃するところから物語はどんどんとおかしな方向へ。
ミチオは妹のミカと共に、友人Sくんの首吊りの真相を探っていく。
しかし、どんどん歪んでいく、みんな狂っている。
常に付きまとう「違和感」。
この手の作品には、いつもまんまと騙される読者の鑑のような私。
しかし、物語が進むにつれてちょっと先が読めてきてしまった!
なるほど…そう持っていくつもりね。
なーんて先読みしていたら結局騙された。
うまいこと道尾秀介に操られていました。
わざとそう思わせるように先導されてた!!
落とし方がうますぎる。
ハッキリとは描かれていないものの、とある描写から衝撃的な展開が見えたり。
面白すぎるよ。
面白いように操作されて一気読みでした。
読み終えて色々思い返すとありました...散りばめられていた伏線。
気になりすぎて、考察サイトを見ながら軽く読み直し。
すると、冒頭から付きまとっていた違和感がスッキリー!
知らぬうちに華麗に伏線回収がされていたのです。
ちなみにホラー要素ですが、怖いの大好きな私でもゾッとしました。
理解できないような気味の悪い怖さ。
読了済みの方からは、トラウマなんて言葉も複数聞きましたね。
個人的には好きだったなー。
特にラストの描写が理解出来た瞬間の過去のシーンが蘇ってくるような衝撃がたまらなかった。
是非、ミチオくんと一緒に不気味な夏を堪能してみてください。