【 この話、続けてもいいですか。 / 西加奈子 】

この話、続けてもいいですか。 西加奈子 小説

外で読む際は注意!

 

作品の帯にもあるように、西加奈子さんが「素直に自由に」書いたエッセイです。

数々の傑作を世に生み出してきた西加奈子さんですが、そんな作品を書くことのできる作家さんの素性を知ることができます。

 

 

控えめに言って面白すぎた!

外で読むのは危険です!

至るところで、吹き出すのを必死に堪えました。

西さん素を出しすぎです。

というくらいもう腹の底まで、胸の内まで書いちゃって。

自分のことを「ちゃらっちゃらにちゃらい」と言ってしまう部分とか。

作家でありながら、素晴らしい的な感情を「やば!」でしか言い表せない部分とか。

(更に興奮が増すと「ヤパッ!」と叫びながら垂直にとーん!とーん!と飛び続けたくなるのだとか…)

一時期話題になった「東京タワー」のブームに乗って「通天閣」出版したとか言っちゃう部分とか。

 

終始顔の筋肉が緩みっぱなしでした。

とにかく素直で真面目な西加奈子さん。

沢山の作品の人間臭いけど、どこか温かい登場人物たちも、この西さんが生み出したと思うと納得してしまう。

 

ありのままの西加奈子

 

冒頭でも言ったように、素の西加奈子さんを知ることができます。

いや…知ると言うよりは、西加奈子という人物は常に素であり飾らずありのままなのが分かります。

鼻掘ってる描写も書いてしまったり、これが直木賞を取った作家の日常なのね!!!!

と思う反面、やはり作家さんですね。

視察力がすごいです!

当たり前に流れていく日常の中でも、目をつけるところや、気になるところがやはり違うと言いますか。

そんなところを見て、そんな風に思うんだ!!

と驚愕してしまう部分もありました。

 

自分大好き!センス見せつけたい!と自己主張も強い作品ですが、私は好きです。

読んでいてとても清々しい気持ちになります。

大半笑っていたのですけど…

 

総集編

 

この作品は【 ミッキーかしまし 】と【 ミッキーたくまし 】というエッセイ集の総集編と言ったところです。

66ものエッセイが詰まった作品です。

西さんのエッセイって、テンポよく読めるのが好きなポイントでもあります。

やはり大阪弁特有のテンポなのでしょうか。

読んでいて気持ちが良いのですよね。

割となんでもストレートに物を言うところも気持ちが良いのですけど。

 

20代〜30代にかけて書かれた作品みたいなので、少しお若い頃の西さんですね。

しかしながら内容は相変わらずの、プロレスネタ、泥酔ネタなど…。

西さん特有の感性は昔からで安心しました。

 

沢山の物語がある中でも個人的に好きだったのが

趣味はなんですか」「可愛死に」「少女漫画的恋愛指南」でした。

 

趣味はなんですか?と聞かれて皆さんはどう答えますか。

読書です!…だと何だかありきたりかな?なんて私は少し答えるのに困ります。

まさしく西さんもこの回答に困ると言うのです。

「何それ?」と言われるしごくまっとうな趣味を持ちたいと。

何だか共感してしまいました。

 

「可愛死に」ではモチと言う西さんが飼っている真っ白な猫があまりに可愛くて泣いた。

と言う猫好き視点でのお話なのですが、このお話で東京タワーのブームに乗るべく通天閣出した!

なんて言っちゃってる西さんに笑えました。

 

写真はイメージです

 

「少女漫画的恋愛指南」では西加奈子が思うゴテゴテの少女漫画な恋愛を描く。

ゴテゴテすぎて笑えてくるのと、そんな少女漫画的部分に「あるわー」と納得したり。

最後には、まーひどいオチが待っています。

 

私は本を読む上で気になる箇所をスマホにメモで残しているのですが、気になりすぎてメモがすごいことになりました。

小説の作品もそうなのですが、西加奈子の書くものってとても共感する部分が多いのですよね。

 

気分転換に少しずつと思い、手にした作品でしたが、まさかの一気読みでした。

少し気分が落ちていたり、長編作品を読んだ後の気分転換だったり。

そんな時にも【 この話、続けてもいいですか。 (ちくま文庫) 】は、読んでいただきたい作品でした。

もちろん西加奈子好きは必読でございます

 

 

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