変幻自在の直木賞作家
道尾秀介 著
【 ラットマン 】
第21回山本周五郎賞候補作品!
山本周五郎賞の候補ってまたすごいな。
一度『道尾秀介』で検索してみてほしい。
Wikipediaの道尾秀介の初期作品の覧を見ると、数々の賞の名前が並んでいて驚くと思います。
カドブンさんのこちらの特集も面白かったので是非!
ラットマン あらすじ
結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮(ひめかわりょう)は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。
次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。
事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。
本当の仲間とは、家族とは、愛とは――。
出典 : ラットマン
思い込み
思い込みや先入観が招いた驚くような悲劇。
勝手な思い込みや、勘違いでこうも見える世界が変わってくるとは。
登場人物が話す内容にも、後々思い返すと妙なズレが生じていたりと、今回も伏線回収が秀逸。
『ラットマン』文庫版、書店に並んでおります。どうぞよろしく。装丁画でシールドのジャックが床に無造作に置かれていますが、地味にネズミの尻尾を表現しております。本日は長編の原稿進めてY社の方々と食事・打ち合わせ。
— 道尾秀介 (@michioshusuke) July 7, 2010
文庫本に表紙にはネズミの影と、無造作に置かれているシールドのジャック。
これがとても物語で重要な部分になるので覚えておいてほしい。
そして、登場人物も良かったですね。
主人公はSundowner(サンダウナー)というエアロスミスのコピーバンドのギターをしている姫川亮。
竹内耕太(ボーカル)、谷尾瑛士(ベース)、小野木ひかり(ドラム)と共に高校生時代に始めたバンド。
バンド名を決めるくだりなど、青春時代の描写も何だか懐かしくて良かったな。
一人一人に物語があって、家族の問題や、過去の苦悩が見え隠れしていました。
そんな各自の過去が時に物語の鍵になっていたり。
思い込みの原因になっていたり…。
『ラットマン』ベトナム語版。
もちろん僕には読めませんが。
日本語版はこちらhttps://t.co/FHgJZtmUjO pic.twitter.com/9zTPOCOF3U— 道尾秀介 (@michioshusuke) June 28, 2018
ベトナム語版の表紙の登場人物がかっこいい!
前回読んだ【 シャドウ 】同様、物語は二転三転と予想もしていない展開を見せます。
今作でもバッチリと期待や予想を裏切られ…毎度のごとく騙されました。
ラストでしっかりと伏線回収してくれるのですが、そう言うことか!と巧みな仕掛けに驚愕!
登場人物たちが思い込みで勘違いをする中、読者にまで変な思い込みをさせてくる。
道尾秀介マジックだ!
そう言えば、登場人物で一人見覚えのある名前がいましたね。
(一人ではなく更に他の作品との繋がりがある人物もいるとか。)
後々調べてみたところ、あの作品の登場人物との繋がりが!!
他の作品との繋がりがあるとか面白いですよね。
そんな感動まであって一人興奮してしまった。
是非とも、【 ラットマン 】で道尾秀介マジックにかかってみてほしい。
そして、思い込みに惑わされずに読み進めることができるのか…挑戦してみてほしい。