【 スモールワールズ / 一穂ミチ 】

スモールワールズ 一穂ミチ 小説

 

2022年本屋大賞ノミネート作品!

第165回直木賞候補作

第9回静岡書店大賞受賞

第12回山田風太郎賞候補

キノベス!2022 第4位

 

小さな世界

 

一穂ミチ 著

スモールワールズ

 

 

個人的に(本当に本当に個人的に)本屋大賞の受賞作品ってあまり短編集のイメージがないんですよね。

しかし、今回ノミネート作品を予想する上で一番最初に出てきたのがこの作品。

TwitterのTLでも見かける機会が多かったですね。

数々の賞にノミネートしていく中、一穂ミチさん本人の反応が可愛らしく素敵だったので紹介したい。

推理作家協会賞ノミネートの際には「カニの品評会にカニカマが出てしまった気分」。

直木賞候補作になった際には「錦鯉の池の中に紛れ込んでしまった金魚の気持ちです」と。

めちゃくちゃ繊細!!そして可愛い!!

 

今作は「小説現代」に連載された6編の短編をまとめたものだそうです。

読んで驚いたのが、作品一つ一つの文体やカテゴリや構成がまったく異なること。

上記の繊細なイメージを覆すような内容のものも…!

読んでいて、同じ作家さんが書いたのかな?って不思議な感覚になりました。

 

またこの作品には公式サイトがあり、そのサイトがとても素敵!

読了済みの方はもちろん、気になっている方も是非一度覗いてみてほしい↓

スモールワールズ(著:一穂ミチ・講談社文庫2023年10月13日発売)公式サイト │ 講談社
6つの物語にちりばめられた愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集『スモールワールズ』公式サイト

 

スモールワールズ あらすじ

 

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。

「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。

初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。

人知れず手紙を交わしつづける男と女。

向き合うことができなかった父と子。

大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。

誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。

出典 : スモールワールズ

 

6つの異なる物語

ネオンテトラ

相原美和と旦那の貴史は、表向きは円満夫婦。しかし実際は…。

そんな美和は姪っ子である有紗の同級生・笙一しょういちと出会う。

魔王の帰還

17歳の少年、森山鉄二は真っ黒な肌にピアスと金髪といった派手な見た目で誰も近寄ってこない。

彼には「魔王」と呼ばれる身長188㎝のたくましい姉・真央がいる。

ある日突然、姉が実家に帰ってきた。

ピクニック

瑛里子と裕之の間に可愛い愛娘・未希が生まれる。

瑛里子の母・希和子は孫が出来たことにとても喜ぶ。

育児ノイローゼになりつつある瑛里子を助け励ましていく母・希和子。

娘のために孫を預かったある日…事件が起きる。

花うた

加害者・向井秋生。加害者・新堂深雪の兄。

そんな加害者と被害者親族の手紙のやりとりが始まった。

愛を適量

バツイチ。教員である慎吾。

ある日家に帰ると自宅のドアの前に見知らぬ男が立っていた。

親子の再会?

時を経て向き合おうとする親と子の物語。

式日

定時制高校に通う先輩。

そんな高校の一般(日中)に通う後輩。

ひょんなことから二人は繋がる。

ある日後輩からの呼び出しで再会を果たす二人だが…。

 

『魔王の帰還』は漫画化もしているらしく気になっています。

それぞれの人生

 

6つの異なる物語

中には心温まる姉と弟の物語…。

と思いきや、中には、ゾクっとするような恐ろしい真相が待ち受けている物語。

それは、人それぞれの人生を表しているかのようでした。

人によって幸せのバロメーターはバラバラ。

何を幸せと思うのかもバラバラ。

どんなものを背負って生きているのかもバラバラ。

全ての物語を同一人物が書いているのが嘘かのような異色のストーリー

そしてどの物語も驚くべき真相が用意されています。

ちょうど良い長さの短編はあっさり読めるのに、受け取るもののボリュームがでかい。

次の物語はどんな内容なんだろう?

とワクワクしながらページをめくりましたね。

この新しい感覚、是非味わって欲しいです。

 

個人的には『魔王の帰還』が好きでした!

そして更に言うならば、『魔王の帰還』からの『ピクニック』

この温度差というか、流れに驚きましたね。

ととのうかと思った。

装丁の可愛らしいイメージが頭から抜けず…。

装丁の漢字のミスが想定外!!(フォロワーさんのリプパクりました)

 

そして、それだけではないギミックが!

物語を読み進めていくうちに気付く違和感。

ラストを読み終えて「あーーーーっ!!」と気付く。

いやーすごいや!

読んできた物語を振り返りながら、読み進めていってほしい。

誰かの存在感のある小さな世界を覗いているような。

そんな不思議な感覚も堪能してください!

 

 

ネオンテトラは自らは光り輝けないんですよ!

 

 

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