【 旅のラゴス / 筒井康隆 】

旅のラゴス 筒井康隆 小説

 

SF御三家

 

筒井康隆つつい やすたか 著

旅のラゴス

 

 

筒井康隆さんと言えば、俳優でもあり劇作家でもある多才な作家さま。

小松左京こまつ さきょう星新一ほし しんいちと共に『SF御三家』と言われており、日本にSFを根付かせたと言われているうちのお一人

80歳を過ぎてもなお、現代日本文学の巨匠として作品を生み出し続けている筒井康隆さん…すごい。

 

今回読んだ【 旅のラゴス 】は数年前に手に取ったものの、一度読むのをやめてしまった作品でした。

ここ最近SF作品を読む機会も増えてきて、再度筒井康隆さんの作品に触れてみたくなり、改めてページをめくったわけです。

 

旅のラゴス あらすじ

 

旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。

集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か?

北から南へ、そして南から北へ。

突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。

集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?

異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

出典 : 旅のラゴス

 

主人公ラゴスの旅物語。

何が彼を旅へと駆り立てるのか。

沢山の出会いと別れの先に行き着く終着点とは。

 

自分に最も適していて最もやりたいと思うこと

 

まるでRPGの世界

経験値を積んで旅を進めていく、そんな物語。

話の展開に大きな波はなく、淡々と物語が進んでいく印象。

抑揚のない物語の流れに前半少し飽きてしまう部分もありましたが、読み進めてみれば独特の世界観に惹き込まれていました。

抑揚のない…と言いつつも、主人公ラゴスの旅は楽なものじゃないのです!

 

旅の途中では奴隷として捕獲されてしまったり、国を築き上げたり。

頭が良く、頼れるラゴスは凄まじくモテる!!

複数の女性の間で気を利かせるラゴスの姿は見ものでした。

 

なぜラゴスは旅を続けるのか…。

旅の途中では、とある場所にとどまって裕福な生活をおくることもあったラゴス。

しかしまた旅へと出発します。

様々な文明に触れ、研究に明け暮れるラゴス。

ラゴスの旅路と共に、文明の発展の過程を目にすることができる。

今じゃ当たり前に使われている、スマホやテレビといった電化製品。

文明の発展により人々は幸せになる…はずであるが、ラゴスの旅はそれによる危険信号を出しているようでもありました。

 

 

自分に適した最もやりたいこと…。

本当に自分のやりたいことをできている人はどのくらい存在するのだろうか。

色んな壁にぶち当たりながらも、自分の意志を全うしていくラゴス。

あんな生き方ができたらいいのに。

どこかファンタジーのようで、誰もが憧れる夢物語のような、サラッと読める素敵な旅物語でした。

ラストにラゴスが望むものへと辿り着いたのか…是非本書で確かめてみてください!

そしてお供には、美味しいマテ茶コーヒーを用意してほしい。

 

 

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