ネタバレ厳禁の話題作
夕木春央 著
【 方舟 】
ここ最近、TwitterのTLで見かけない日はない!
ってほどに話題の作品。
しかも、読まれた方の評価も高くとても賑わってますよね。
私も急遽書店で手に入れてきたのですが、大型店舗でも在庫が残り僅かの表示。
Amazonでも一時的に売り切れになっていた…なんてツイートも見かけました。
2019年にメフィスト賞を受賞しデビューされた作家さん。
私自身も初読みの作家さんでした。
今作【 方舟 】はデビューから3作品目の作品だそうです。
プルーフのカバーにもなったこちらのPOPがすごい。
9/8発売! 編集部驚愕のクローズドサークルミステリ
『#方舟』#夕木春央
書店員さんの感想をご紹介!どんなに緻密なプロットでも、目の前の絶対的な残酷さにはかなわない。解決に向けての歯車が噛み合おうとするのに、著者によって何度も止められる無情さが、なぜか心地良く頭の中で奏でら(…続く) pic.twitter.com/5Ga9U8NZXn
— 講談社 文芸第三出版部 (@kodansha_novels) September 1, 2022
有名なミステリ作家や書評家の名前がずらり。
『この衝撃は一生もの』の言葉には驚きました。
ネタバレ厳禁の作品!
公開されているあらすじ紹介と簡単な感想程度にとどめようと思っておりますが、やはりまっさらな状態で読みたいもの。
全く知識を入れたくないと言う方は「回れ右」をお願いします。
方舟 あらすじ
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。
さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。
いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。
生贄には、その犯人がなるべきだ。
ーー犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。
それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
出典 :方舟
ノアの方舟
タイトルにもなっている方舟と言えば「ノアの方舟」。
旧約聖書の『創世記』に登場するものであり、主人公ノアとその家族や動物たちを乗せた方舟を指している。
神様が、増えすぎた人間を一度一掃するために大洪水を起こします。
しかし、忠実でいたノアだけは助けることにした神様。
洪水にも耐えられる「方舟」を作って、家族や動物を乗せて逃れるように言い伝えます。
無事に助かったノア。
今後はこのようなことはしない。と神様からも約束をしてもらい、この世で初めて虹を目撃した人物だったそうです。
この物語からも「ノアの方舟」=「救済」という意味が浮かび上がりますね。
今作は謎が多き山奥の地下建設が舞台。
地下に閉じ込められた9人の登場人物。
助かるには1人を犠牲にしないといけないという状況。
まさに「救済」を必要とする人間の心理をつくデスゲームの始まりですね…。
陽の光が届かない地下建設に閉じ込められるだなんて、想像するだけで恐怖。
頭がおかしくなってしまいそうです。
しかし、生きて帰るためには1人を犠牲に…生贄を選ばないといけない。
果たして登場人物たちに「救済」は訪れるのか。
あまり詳しくお話できないのが悔しい!
物語の内容を人と共有したくなるのが分かる。
私が一番嫌いな死に方ってなんだろう…?
ラストまで気が抜けない臨場感に息が詰まる、酸素が足りなくなる。
是非、【 方舟 】への乗船で物語の結末をお楽しみください。