【 ゴッホのあしあと / 原田マハ 】

ゴッホのあしあと 原田マハ 小説

「たゆたえども沈むず」の副読本

 

http://aya2020book.com/たゆたえども沈まず/

を書くにあたっての、原田マハさんの経験やゴッホへの想いなどが描かれています。

原田マハさんのアート作品といえば、どこまでが史実なの?と分からなくなるリアルな部分だと思います。

そんなどこまでが史実に基づいているか、どこからが原田マハさんのオリジナルなのか。

また、そのオリジナルを物語に盛り込んむ上での、原田マハさんの想いも読み解くことができました。

 

【 たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫) 】を読んだことがある方には是非読んでいただきたい作品です。

作品の詳細部分がもっと詳しく知れるのはもちろんですが、原田マハさんがピカソやルソーよりも、書くことを難しいと思ったゴッホについても更に詳しく知ることができます。

 

狂気と孤独

 

狂気と孤独が生み出した近代美術の父と呼ばれるゴッホ。

そんなゴッホの画家としての人生は、その名の通り孤独が付き纏う人生でした。

その孤独はゴッホが優しく、真面目な人間だったゆえなのですよね。

 

「たゆたえども沈まず」でも描かれていた耳切り事件。

この事件はゴッホがゴーギャンとの共同生活中に口論となり、自分の左耳の一部を切り落とした。という有名な事件です。

こんな事件を起こしてしまったのもゴッホの寂しさの現れだったのでしょう。

しかし、事件後にゴッホは弟テオのいるパリには戻らず、サン=レミ修道院に行くことを決意します。

 

この「ゴッホのあしあと」では、原田マハさんが実際にフランス各地を渡り歩き、ゴッホの残したあしあとを辿っていく場面があります。

原田マハさんは実際にこのサン=レミにも訪れています。

その修道院は、鉄格子のある窓があり、とても狭い部屋だったそうです。

そんな檻の中を思わせる風景の恐ろしさに、ゴッホの強さを知ったと書いていました。

サン=レミに行くことは孤独を意味していたと思います。

しかしながら、その孤独を自ら選び、パリに戻らずサン=レミに行くことにしたゴッホ。

それはきっと弟テオを思ってのことだったのでしょうね。

 

しかし、そんな孤独がゴッホを奮い立たせ、数々の作品を世に生み出したのも事実です。

 

ひまわり

 

先日、このゴーギャンとの共同生活中に描かれたであろう4作品目の「ひまわり」をロンドン・ナショナル・ギャラリー展で見ることができました。

 

 

今後の共同生活への期待にワクワクしながら描いたであろう「ひまわり」はとても力強い物でした。

その後の事件のことを思うと、とても胸が締め付けられそうになりますが、この作品が見れたことを嬉しく思います。

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ひまわり_(絵画)

 

ゴッホの「ひまわり」は7点あると言われています。

(現存するものは6点。2作品目のひまわりは空襲により焼失しています。)

そのうち最も貴重とされているのがこの4作品目の「ひまわり」なのです。

7作品中最初の4作品は、実際にひまわりを見ながら描かれたものだそうです。

しかし、後の2作品は時期的にひまわりが用意できず、ゴッホの想像で描かれたとされています。

よって実物を見ながら描き、またゴッホの試行錯誤と試みが生きた作品が4作品目(ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵)と言われています。

 

Fluctuat nec mergitur

 

このラテン語は「揺れはしても、決して沈まない」という意味だそうです。

このラテン語がまさしく「たゆたえども沈まず」のタイトルを生み出すことになったのですが、この言葉との出会いも描かれていました。

その出会いは作品を通して確かめて下さい。

 

また、表紙にはゴッホの「星月夜」の作品が描かれているのがこの作品です。

 

 

画家の作品を自分の作品の表紙として飾れること。その喜びの言葉もありました。

この作品、本棚に入れると、うまいこと月の部分が背に来るようになっているのですよね。

 

 

そんな本を作り上げる上での試行錯誤も描かれていました。

 

ゴッホのあしあとをめぐる旅

 

「ゴッホのあしあと」には冒頭にフランス各地の、ゴッホに関連する場所の地図が載っています。

終盤には「あしあとをめぐる旅」として地域の説明や、その地とゴッホの関係や出来事が描かれた箇所があります。

実際に原田マハさんも訪れており、地図を眺めながら、マハさんのゴッホへの想いに耳を傾ける。

一緒に旅をしているような気持ちになります。

いつかこの作品を手に訪れてみたくなりますね。

 

「たゆたえども沈まず」の内容だけではなく、ゴッホの作品が今どこで見ることができるか。

挿絵にはゴッホの作品が載っていたりもします。

とても薄い作品ではありますが、読み応え満載の作品です。

「たゆたえども沈まず」では知ることができなかった細かな部分も知ることができる、まさにゴッホのための、ゴッホへ贈る一冊でした。

 

是非この作品で、原田マハさんと一緒にゴッホの足跡をめぐる旅をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

Aya@読書(@Aya2020book)さん | Twitter
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